棟瓦の積み直しとは、不具合が発生している屋根の棟瓦をいったん解体して修理・調整などを施したうえで積み直す工事です。
棟というのは、主に屋根面がぶつかるラインにできる山形の部分を瓦でカバーし、防水している箇所のことです。棟には、主棟、隅棟、降り棟があります。
主棟とは、ほとんどの屋根に見られる棟です。屋根の一番高い箇所にできる棟で、両端に鬼瓦が設置されることが多いです。
隅棟とは、寄棟や入母屋屋根に見られる、勾配がついている棟です。主棟しかない切妻屋根にはみられません。屋根の四隅に向かって伸び、先端に隅鬼瓦が設置されます。
降り棟は、屋根面の平部に意匠的に作られるもので、実質的な防水とは関係がありません。入母屋屋根に使われることがあります。
棟瓦とは、棟を構成するために使われているいくつかのタイプの瓦の総称ですが、おもに板状のカマボコ板のような形に成形された瓦を指します。のし瓦とも呼ばれ、何枚か積み重ねることで棟を作ります。
棟瓦の積み直しが必要な状態
棟瓦の積み直しが必要な状態について、見た目でわかるのは、主に2点あり、わかりにくいのは雨漏りのケースです。
棟瓦が崩れている
台風や地震などの時に起きることがあります。棟が崩れて漆喰や葺き土が散らばるため、見ればすぐにわかります。
特に緊結している銅線が経年劣化などで緩んでいると崩れやすくなります。放置しておくと少しの雨でも雨漏りに直結しますので、即対応が必要です。
ただし台風や地震などで被害を受けた場合はその地域を含む広いエリアで被害が発生していることが多いものです。従って修理業者も対応しきれず、何日も待たされるといった事例が多く発生しています。もちろん資材も足りなくなります。応急処置用のブルーシートなどの資材を家にストックしておくことをおススメします。
台風や地震といった災害の後は意識的に屋根をチェックしましょう。
棟瓦が外れたり、ズレがある
漆喰や銅線の劣化によって棟瓦が外れたりズレたりすることがあります。
程度によっては見た目でもわかります。放置しておくと、棟が大きく崩れたり、雨漏りにつながったりします。
早めに棟瓦の積み直しを検討しましょう。
棟部分から雨漏りがある
棟部分は雨水が浸入しやすい箇所のひとつです。
見た目に問題がなくても、雨漏りの原因が棟だったということはよくあるケースです。
漆喰の劣化や銅線の緩み、棟瓦を固定する釘やビスの緩みがあるかもしれません。
雨漏りの原因が棟瓦だった場合、早急に積み直しなどの工事が必要です。
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